月組『赤と黒』御園座公演感想、新生御園座初の宝塚公演

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2月11日(建国記念の日)、御園座公演2日目の宝塚歌劇団月組 ミュージカル・ロマン『赤と黒』に行ってまいりました。

今回の宝塚公演は、2年ぶりの名古屋公演、そして91年ぶりの御園座公演。
中日劇場閉館により一旦は途切れた宝塚公演の歴史が、御園座へと引き継がれた誠に喜ばしい公演です。
さらに定期公演への試金石のなるのではないかとあっては行かないわけにはまいりません。

そのような大事な公演を任されたのは、地元愛知出身・月組トップスター珠城りょう様率いる月組の皆さま。
演目は、赤い壁に赤い絨毯、赤い椅子、内外装共に朱に染まる御園座にぴったりの『赤と黒』
きっと御園座初宝塚公演のために特に選ばれたのでしょう。









宝塚公演に華やぐ御園座


開場前から御園座の周囲は華やいだ雰囲気。
そこかしこから漏れ聞こえる笑い声。
みなさま御園座初宝塚公演を今や遅しと待ちわびられておられたのでしょう。

劇場内に入るとまず目に入るのが、愛知県立大学長・松村公嗣作「野分」の緞帳。
台風一過の原野に月明かりに誘われそぞろ出でたるイタチが描かれています。
大きく月が描かれた緞帳は月組公演にピッタリ。

初日に続き本日もという方が多く、お話からは宝塚、月組がいかに愛されているかが伝わってきました。
これだけ多く熱烈なファンがいらっしゃる中、ぽっと出に等しい私が感想を書くのもおこがましく感じるばかりではありますが、一ミュージカルファンとして感じたことをつらつらと書いてみたいと思います。


2020年2月29日(土) ライブビューイング決定!


思うがままに舞うドレス


『赤と黒』は、スタンダール原作・柴田侑宏先生脚本のドラマティックなミュージカル。
ナポレオン失脚後の復古王政下のフランス、ナポレオンの如く成り上がろうと野望を燃やす青年ジュリアン・ソレルの物語です。

宝塚でこれまで4回上演され、今回の月組公演は5度目の上演。
改編を行いながら上演されてきましたが、それぞれ好評を博してきたことからも名作の懐の深さを感じずにいられません。
今回主演を務めるのは、月組の珠城りょう様と美園さくら様です。

幕が上がると、「ルージュ・エ・ノワール〜♪」のレトロな歌と共に、ジュリアン・ソレル(珠城りょう)、レナール夫人(美園さくら)、マチルド(天紫 珠李)によるダンスが始まります。

冒頭のダンスが始まるやいなや、「私が観たかったのはこれだったのだ」と心が躍りました。
美園さくら様、天紫 珠李様のスカートの裾さばきに、たちまち心を奪われてしまったのです。
なんと美しくスカートが広がることでしょう!

貞淑な貴婦人と奔放な子女では同じダンスであっても所作が違ってくるのは当然のこと、自ずと裾さばきも違ってくるはず。
それが一様であるとどうしても気になってしまい集中できないものです。
この公演ではそのようなストレスが一切ありませんでした。
さすが宝塚、日々の修練の賜物でしょう。

レナール夫人はあくまで淑やかにしっとりと舞い、マチルドは娘らしく生き生きと舞う。
指先、うなじにかかる髪の毛の1本1本、さらにはスカートの裾にまで、魂が込められているようでした。
まさに、ダンスにも演技力が必要であることを思い出させてくれました。

もちろん、思うがままにダンスできるのは、頼れる方が側にいらしゃるからであろうことも忘れてはいけません。

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宝塚公演限定最中アイスバラ味限定50個


名作から生まれたメロドラマ


『赤と黒』の原作はスタンダールの「赤と黒」
名作中の名作ですが、名作だからといってハードルが高いわけではありません。
柴田侑宏先生の筆により、わかりやすいメロドラマに仕上がっています。

重い題材ですが、随所に笑いが散りばめられ最後まで飽きさせません。
レナール(輝月ゆうま)やフーケ(月城かなと)の登場シーンはとてもコミカルで、フーケがジュリアンに面会に来たシーンでは会場が軽やかな笑いに包まれました。
月城かなと様は2幕ではコラゾフ公爵としても登場されます。
(出番は少ないものの鮮やかに印象に残りました。)

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御園小町赤と黒アソート


野心に燃える珠城ジュリアン


若きジュリアン・ソレルは、野心の人であり善の人でも正義の人でもありません。
強いコンプレックスを抱き鬱屈した思いから支配階級を目指します。
慎重で勉強熱心であるのに何かを行う時は猪突猛進。
あまり共感を得られそうな人物ではありませんが、演者としてこれほど演じ甲斐のあるキャラクターないでしょう。

原作「赤と黒」には随所に風刺が込められていますが、作者スタンダールがもっとも書きたかったのは旧支配階級への批判でしょう。
それがもっとも良く表れているのが最終意見陳述ではないでしょうか。

ただ宝塚歌劇『赤と黒』では、その部分はバッサリと切り落とされています。
しかし、最後に本当の愛を感じ得たと語る珠城ジュリアンならば、きっと裁判官や陪審員に対し一歩も引かず正々堂々と最終意見陳述するであろうと感じました。
最後に受けたその印象が、恋愛模様だけでない人間ジュリアンとしての余韻を与えてくれました。

そう思わせるだけの熱演、珠城ジュリアン大優勝でございます。

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キャトルレーヴ ポップアップショップin名古屋も営業中


最高のフィナーレへ!!


今回の公演では、月組トップコンビのために新たにフィナーレが追加されています。

安寿ミラ様の振付の妖艶なこと、妖艶なこと。

月城かなと様の登場に始まり、男役・娘役による群舞。
月組トップ娘役・美園さくら様の艶やかなダンス。
美園さくら様率いる娘役群舞に惚れ惚れしている間もなく、珠城りょう様がせり上がり男役による群舞。

燕尾服男役が一列になっての決めポーズにもうメロメロ〜
と、なっていたら男役のみなさんが客席に!
みなさま観客を本気で堕しにかかっていませんか?

ラストのデュエットダンスも情熱的〜♡

最後に一言言わせてください。
月組御園座公演『赤と黒』最の高でございました!!

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名古屋キャトルにて


定期公演化に期待


2年ぶりの宝塚名古屋公演に華やぐ御園座ですが、次なる目標は宝塚定期公演です。
御園座、名古屋公会堂、名古屋宝塚劇場、名古屋毎日会館、名鉄ホール、中日劇場と、これまで連綿と続いてきた宝塚名古屋公演の歴史が再びしっかりと御園座に引き継がれることを期待したいところ。

それは、ひとえに御園座執行部のこれからの交渉力にかかっています。
今回公演は全日程完売、名古屋キャトルレーヴ ポップアップショップは連日大盛況。
このことが定期公演への強い追い風となることは確かです。
さらなる追い風を起こすには、観客の声を御園座、さらに阪急に届けることが肝要かと思われます。

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