ミュージカル『ノートルダムの鐘』(The Hunchback of Notre Dame)』感想、名古屋公演初日に寄せて

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ノートルダムの鐘 9月22日撮影【写真転載・無断使用厳禁】(の)


名古屋は9月に入ってから雨続き、折しも20日・21日行われるはずであったウエスタンリーグが続けて雨天中止となったばかり。

せっかくの『ノートルダムの鐘』名古屋公演初日も雨なのかと気を揉んでいたが、劇場に向かう頃にはすっかりと晴れ抜けるような青空になった。

劇場に向かう道すがら、徐々に同方向に向かう人が増えていく。
きっと名古屋四季劇場に向かっているに違いない。
三々五々と劇場に向かう人々に少々の親近感を抱きつつ劇場へと足早に向かう。

劇場は初日独特の昂揚した雰囲気に包まれていた。
そこかしこで取材陣や招待客であろう人たちとスタッフが歓談をしている。

早々に公演プログラムを手に入れ劇場内の椅子に座りこむ。
公演プログラムをめくりながら開演を待つ時ほど幸せな時はない。








9月22日初日公演 キャスト


カジモド:飯田達郎

フロロー:野中万寿夫
エスメラルダ:宮田 愛
フィーバス:清水大星
クロパン:阿部よしつぐ

【男性アンサンブル】
塚田拓也
山田充人
大空卓鵬
賀山祐介
高舛裕一
平良交一
手島章平
吉田功太郎

【女性アンサンブル】
小川晃世
村木佑衣
町島智子
原田真理

【男性クワイヤ(聖歌隊)】
永井崇多宏
坂下良太
山下泰明
奥田直樹
青井緑平
澤村楽人
高井 治
山﨑聡一郎

【女性クワイヤ(聖歌隊)】
片山美唯
中山理沙
平木萌子
青栁歌奈
織笠里佳子
北野有希依
吉田瑛美
杉山由衣

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ノートルダムの鐘 9月22日撮影【写真転載・無断使用厳禁】(の)

人間の持つ「宿命」


劇団四季の最新ミュージカル『ノートルダムの鐘』は、ヴィクトル・ユゴーの『Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)』に想を得、ディズニー劇場版長編アニメーション『The Hunchback of Notre Dame(ノートルダムの鐘)』に基づきディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作したミュージカルだ。

演出は、スコット・シュワルツ。
スコット・シュワルツは、『ノートルダムの鐘』の作詞スティーヴン・シュワルツの子息。

プロモーションビデオなどによく使われているキャッチフレーズは、『愛は「宿命」を変えられるか。』

ミュージカル『ノートルダムの鐘』では、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む男カジモド、大聖堂聖職者フロロー、警備隊長フィーバス、そして3人の男が愛するジプシー娘エスメラルダ、4人の運命が複雑に絡み合う。

観劇後、人間の持つ「明」と「暗」、そして「宿命」について深く考えさせれれる。

かなりシリアスな作品だがそこかしこに笑いも散りばめられていて息苦しいばかりのミュージカルではない。
初日は随所で笑いが起こったが、これは主演の飯田達郎ガジモドに負うところが大きいように感じた。

物語性の高い音楽




『ノートルダムの鐘』の魅力を支えているのは、ユゴーが生み出した重厚な人間ドラマと劇団四季俳優陣の熱量、そして高い音楽性だ。
中毒性の高い音楽は、それだけでドラマを成り立たせるだけのパワーがある。

ディズニー音楽の神様とも呼ばれるアラン・メンケンが生み出したナンバーはどれも素晴らしい。
「ノートルダムの鐘」「陽ざしの中へ」「地獄の炎」どれをとっても名曲揃い。

フィーバスの「息抜き」、エスメラルダの「タンバリンのリズム」、そしてカジモドとエスメラルダの2人が歌う「世界の頂上で」は、驚いたことに舞台化するにあたって追加された追加曲だ。

アニメをそのまま舞台にするには曲が足りないため追加されたわけだが、まるで違和感がないどころか「世界の頂上で」などは代表曲だと言っても言い過ぎではない。

分析しきれない魅力




ミュージカルでは、ヴィクトル・ユゴーの持つシリアスさはずいぶん緩められています。
そのかわり原作よりさらに複雑な人間模様が展開される。

15世紀のパリを舞台に繰り広げられる物語のテーマは、現代にも通じるような愛と憎しみ、明と暗、そして宿命。

「答えてほしい謎がある 「人間」と「怪物」 どこに違いがあるのだろう」

何が怪物を作り 何が人間たらしめるのか?
これが製作者が一番観客に問いかけたいテーマだろう。

これはしばらく考えたぐらいでは答えが出てこない難しい質問だ。

次々と押し寄せるドラマティックな展開の末、この質問が観客に提示される。
観客は感動とともに疑問を抱えることになる。

これはこういうことだと断言できればそれまでのことだが、分析しきれない物事を前にすると「ああでもないこうでもない」と考えたくなる。
それがこれほどリピーターが増えている理由かもしれない。


組み合わせによる妙


すぐには解けないテーマに思いをはせるのも良いが、登場人物の誰かに感情移入しながら観るのも良い。

どの登場人物も明と暗のどちらも合わせ持つが、キャストが変われば受取る印象もまた変わる。
飯田達郎カジモドをはじめ、野中フロロー、宮田エスメラルダ、清水フィーバス、阿部よしつぐクロパン、初日キャストは申し分のない力量を持った俳優ばかりだったが他のキャストも観てみたい。

現在のところ、カジモド、フロロー、フィーバス、エスメラルダはダブルキャスト。
『ノートルダムの鐘』名古屋公演は来年5月まで。
千秋楽までにぜひ全組み合わせを観てみたいものだ。

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ノートルダムの鐘 9月22日撮影【写真転載・無断使用厳禁】(の)


公演日程


2018年9月22日〜2019年5月19日千秋楽(名古屋四季劇場)

2019年7月28日開幕(京都劇場)

名古屋四季劇場スペシャルサイト:https://www.shiki.jp/theatres/nagoya/

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